家庭菜園~Grow Your Own~

マイクログリーンを育てよう【種選びから発芽、収穫まで育て方を紹介!】

Photo by Devi Puspita Amartha Yahya on Unsplash

 

この1年2年のあいだで、家庭菜園の空前の盛り上がりもあってか、マイクログリーン(Microgreens)を育てるのが流行ってきています。SNSなどを見ていると、これはイギリスに限ったことではなく、世界的な傾向のようですね。
 
わたしも2020年のロックダウンの間に、なんとか手に入れることが出来た花の苗でガーデニングを始めてみたのですが、2021年は食べられるものが育てたいと思い、冬の間に室内でも手軽にできるマイクログリーンを育て始めてみました。よりによってイギリスの一年のなかでも最も寒い2月に育て始めたのですが、さて結果はどうなるでしょうか。
 

マイクログリーンとは?

Photo by Devi Puspita Amartha Yahya on Unsplash

マイクログリーンは、micro(小さな)+ greens(植物)という語からわかるように、発芽まもなく小さく育った野菜の芽を収穫するものです。もう少し知名度がありそうな「スプラウト」も小さな芽という意味で同じ部類のものですが、発芽した直後に収穫するスプラウトと違うのは、マイクログリーンは発芽後7cm前後まで育ててから食べること。日本では、カイワレがマイクログリーンの一種だと言えそうです。
 
マイクログリーンは、極端に言えば種さえあれば簡単に挑戦することができます。冬でも基本的には室内で育てるものなので関係なく始められますし、また庭がなかったり、ベランダもない場合でも、キッチンの窓辺で育てられるのが良いところ。もし、2021年になって家庭菜園に興味を持ったけれど、失敗したくない方や、スペースがない方は、マイクログリーンが一押しです。
 

マイクログリーンは小さくても栄養が豊富

マイクログリーンは普通サイズの野菜に比べてとっても小さいですが、栄養面では負けていません。植物は発芽して育っていくための栄養を種に詰め込んでいるので、マイクログリーンにも栄養がたっぷり入っているのです。それどころか、栄養が凝縮されて詰まっているので、成長した普通サイズの野菜よりも栄養は豊富だと言われているんですよ。

 

どの野菜の種を使うかによって、少しずつ変わってくるものの、マイクログリーンは一般に、抗酸化物質(カロテンやフラボノイドなど)やビタミン、ミネラルを多く含んでいます。以下は一例ですが、多くのマイクログリーンに豊富に含まれている栄養素たちです。

 

  • カリウム
  • 亜鉛
  • マグネシウム

わたしも栄養面はエキスパートじゃないですが、ちょっと見ただけでも、不足しがちな大事な栄養素が摂れるのが分かるかと思います。

 

マイクログリーンとして育てられる代表的な種類は?

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基本的には「食べるのが好きなものを育てる」のが一番いいのは家庭菜園のどんな野菜でも同じことなのですが、代表的によくマイクログリーン栽培に使われる種の種類を知っておくと、初めて選ぶときに迷わないで済みます。以下に、グループごとに分けて載せてみるので、参考にしてみてください。

 

なお、味はどうなのか気になるところですが、多くは育って普通の大きさになったときの味に似ている、と考えておけば良さそうです。なので、好きな野菜やハーブがあれば、まずはその種類のマイクログリーンに挑戦すると良さそうですね。

 

  • アブラナ科:ブロッコリー、ラディッシュ、大根、カリフラワー、ウォータークレス、キャベツなど
  • ヒガンバナ科:ネギ、玉ねぎ、ニラ、リーキ(Leek)、チャイブ(Chive)など
  • ウリ科:きゅうり、メロン、カボチャなど
  • ヒユ科:ほうれん草、ビーツ、キヌア、スイスチャード(Swiss chard)、アマランサス(Amaranth)など
  • セリ科:ディル、セロリ、人参、フェンネル(Fennel)など

ここに挙げた他にも、オンラインの専門店をみると、紫蘇や小松菜、チンゲンサイ、レッドクローバー、マスタード、ハーブ類各種などのマイクログリーン用の種が出回っているのを目にします。栄養価や人気の面では、アマランサスやブロッコリーが注目のようです。

 

ちなみにマイクログリーンの食べ方ですが、スープやサラダ、炒め物や卵料理に混ぜるなど、とっても幅広い使い方が出来るのも魅力でしょう。

 

マイクログリーン栽培に必要なもの

用意するのは、先に触れたように、極端には野菜の種だけあれば大丈夫。ですが、以下に有ったらよいものも含めて、初めに用意したいものをリストアップしてみますね。

 

  • 野菜の種
    マイクログリーン専用のものが手に入ると特に良いですが、スプラウト用の種を使ってみても良いかもしれません。どちらも無い場合、普通の野菜用の種でも十分です。小松菜やブロッコリー、ハーブ類がおすすめ。

  • マグカップや小皿でOK!もちろん、発芽用の蓋つきのトレイがあるなら使えます。初めは特別に購入しなくても、フルーツが入っていたパックを洗って再利用したりするので充分です。ちなみに、わたしは小さな陶器の植木鉢の受け皿を使いました。
  • キッチンペーパー
    キッチンに置くのに土でも抵抗がない方は、土でも良いです(イギリス人はもれなく土使ってます笑)。ただ、キッチンペーパーの上でも問題なく育つので、あとは好みの問題ですね。カイワレはキッチンペーパーの分厚いようなシートに根を張って売られていますが、それと似た原理を使います。
  • 霧吹き
    種蒔き~しっかり根が張る前までは、水をざばっと入れると新芽が流れて動いてしまうので、霧吹きがあると便利です。
     

以上、必要な物は4つだけ!種と霧吹き以外は家にあるものばかりですし、最後の霧吹きについては、100均にも売っていますね。マイクログリーンは、思いついたらすぐに始められる手軽さが良いです。

 

マイクログリーンの詳しい育て方

種まき

一晩浸水した種。今回は、小さな鉢の受け皿で育てます。

種まきの前に、半日か一晩くらい、水に種を浸水しておくと発芽がしやすくなります。種まきの際には、用意した器の底にキッチンペーパーを4層に重ねて敷きます(小皿なら面積が小さいので、1枚を数回折りたためば丁度良いですよ)。そこへ、浸水後の種をなるべく重ならないように一面に広げて蒔きましょう。その後、キッチンペーパーの下に水が溜まらないくらいの程度に、霧吹きをします。ちなみに、土を使う場合は、器に土を入れ、種を広げてから土がしっかり湿るよう霧吹きします。

次に、蒔いた種のうえから湿らせたキッチンペーパーをもう一枚かぶせて水分の蒸発を防ぎます。このまま、暗い場所で発芽させ、そのまま光に当てずに5日ほど育てましょう。こうすることで、マイクログリーンを強く育てることができます。キッチンの窓辺に置いた場合なら、段ボールの切れ端などで遮光するのが便利かもしれません。

 

発芽~5日目まで

種まきの翌日。既にちょっと発芽してます!

 事前に浸水しているので、発芽は早ければ翌日くらいには始まります。乾燥しないよう、一日に2~4回ほど様子を見て霧吹きしましょう。「キッチンペーパーの下に水が溜まらない程度」がポイントです。

霧吹きの時以外はまだ、覆いをかぶせたまま5日間お世話します。だんだんと育つのが楽しみですね。

 

これはカビではなく、根毛

★ちなみに、この期間に「白いフワフワのものが見える!カビたかもしれない!」と焦って捨ててしまうひとがいますが、まずは落ち着いてよく見てみてください。殆どの場合、それはカビではありません。種が発芽すると、先ずは根がひょろっと一本生えて、それからその根を中心に放射状にごく細い「根毛」がたくさん生えてきます。これが、白くてボワボワした見た目なので、うっかりカビと間違えがちなんですよね。

 

5日目~

光の方へ、斜めに伸びている

5日くらい経ったら、いよいよ覆いを取って光にたっぷり当てましょう!既にちょっとずつ伸びているのが見えると思います。光に当て始めるといっせいに光の方向へ伸びようとするので、一日数回の霧吹きの際にはお皿を回してあげるとまっすぐ育ちます。

 水やりは、根が張ってきたら蛇口からそっと入れる方法でも大丈夫。乾燥させず、キッチンペーパーに水が浮くほど多すぎもせず...慣れると丁度いい量が分かってくるはずです。

 

10日目~18日目くらい:収穫時期

収穫前。だいぶ育ってきた!

いよいよ、10日目以降、18日目くらいまでが収穫時!室温や季節によって育ち具合がちがうので、あくまで日数は目安で、7cm以上になったころを見計らって収穫するのが良いと思います。

ちなみに、イギリス北部の我が家は築90年超のレンガ造り。キッチン窓は隙間風も入って寒めだからか、真冬の日光が弱いからか、南向きの窓辺でも10日目ではまだ高さが5㎝弱といったところでした。待ち遠しい!早く食べたい!笑

 

いよいよ収穫できるとなったら、キッチンバサミで必要な分だけ切り取ると綺麗に収穫できます。今回は小松菜の種を使ったのですが、味はピリッとカイワレのような味でした。

 

マイクログリーンを実際に育ててみて分かったポイント

マイクログリーンを育ててみて、まずは「場所もお金もかからず簡単に栽培できる」というのは本当でした。ただ、栽培場所の環境はやっぱり影響があるので、季節や日光の当たり具合、室温などによって、育ち具合が変わってくるのは考えてみれば当然ですよね。

そこで、あまり「何日目だからこうなるはず!」と構えず、気楽に育てて楽しむのが良いと思います。マイクログリーンは健康にもよいですし、せっかくなので楽しく育てましょう。とはいえ、今回のような真冬でも育っているので、それ以外の季節は10日目くらいから収穫できると思います。少なくとも、普通サイズの野菜より早く収穫でき、栄養価も高いのはメリットですよね。

 

コツとしては、

  • 発芽前~5日目までは光を遮断するので、窓のない部屋でもOK。これを利用して、なるべく温かい部屋に置くと発芽しやすくなるタイプの種もある。必要ならヒーター側に置いたり、発芽器をつかうのも有り。普通の野菜でもそうであるように、種の種類によって発芽率や発芽条件が違うと感じたので、色々なタイプを試すとよいです。
  • 種蒔き前の浸水をしっかり目にすると、その後の発芽率が良くなる(豆タイプの種など)。
  • 冬など光がどうしても足りない場合、植物用のランプで補ってしまうのも良いと思います。

 

 

以上、イギリス北部で真冬にマイクログリーンを育ててみたレポートでした。こんな隙間風の吹く窓辺でも育てられたので、日本の温かい家ではちゃんと育つだろうと思いましたよ。なにせ始めるための機材も知識も必要なくハードルが低いので、ぜひ気楽な気持ちで初めて見てほしいなと思います!

今年は “Immunity Gardening”(野菜を育てて食べることで、免疫力を高めるガーデニング)という観点からも、自分で野菜などを育てて食べることがイギリスでは流行っています。家庭菜園をするにしても小さく始めて失敗を少なくし、だんだんと広げるのが良いと思うので、その一歩目にマイクログリーンは最適だと感じました。

 

目指すのは「森のような庭づくり」

英国ガーデン日記

“小さなころから、自然や野生動物が大好き。イギリスへ引っ越して、ふつうの家の庭にハリネズミや野うさぎ、カエルが出る環境に驚く。イギリスのガーデン番組で「小さな庭がパッチワークのように集まれば、野生動物の棲み処を増やせる」と頻繁に言っているのに感心し、ブログを通して英国でのエコなガーデニング事情を発信中。本人は新米ガーデナーで、自分の庭づくりは始まったばかりです。”

 

 

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