野生動物の庭~Wildlife Gardening~

ワイルドフラワーの花畑の作り方【ナチュラルガーデンにもぴったり!庭に野草を植えよう】

冬の間にワイルドフラワーのSeed Ball(シードボール/詳細は記事内で。)を買っていて、早く種まきしたくてうずうずしていたのですが、やっと3月になって雪も降らなくなったので、まだ寒いものの撒いてみました!今回は、野草の組み合わせがどう出るか分からないので、ひとまずウイスキーの樽(イギリスでは格安のプランターとして人気があります)を半分にした大きな鉢に植えることに。

 

イギリスでは、ワイルドフラワーの花畑がここ数年でとっても注目されています。チェルシーフラワーショーなどのショーガーデンにおいても多くのガーデンがワイルドフラワーを取り入れていて、その人気は明らか。2020年前後からのトレンドになっているのはイギリスのガーデントレンドに関する記事でもお伝えした通りです。

 

今回は、そんな「ワイルドフラワーの花畑」について、まずは少し詳しく書いてみようと思います。鉢植えや庭の一角を花畑にする方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

そもそも、ワイルドフラワーとは?

野草の花畑を総称して、英語では Wildflower Meadowと言います。基本的に、ワイルドと名に付いているように、ワイルドフラワーと言う際には、その地域に自然に生えている在来種の草花を指すことが多いです。また、ワイルド=改良されていないという意味合いもあり、その点ではワイルドフラワーとは園芸品種として作られた植物ではない野草全般を指しているとも言えます。

 

 Photo by Włodzimierz Jaworski on Unsplash

ここで、野草というと花の咲かない種類も含むのではと感じたかもしれませんね。実は、ワイルドフラワーの花畑には、何割かは花の咲かないグラス類なども含まれているのです。これは、ナチュラルガーデンのようにグラス類を含めることで自然により近い植栽になることも理由です。しかし、見た目の雰囲気だけでなく、背の高い草やその種子が含まれることで、生物多様性により貢献できることがワイルドフラワーの花畑をつくる本来の狙いと言えるでしょう。なぜなら、イギリスのショーガーデンなどでワイルドフラワーの花畑が主流になってきた背景には、都会で生物多様性が失われていることへの危機感から、環境保護に都会の庭が与える大きな可能性に注目が集まっているから。ワイルドライフ・ガーデンの流行と共に、ワイルドフラワーの花畑も注目されるのは必然と言えそうです。取り入れやすく、見た目にも綺麗なので、ぜひ一鉢だけでもワイルドフラワーで満たして欲しいと思います。

 

ワイルドフラワーにはどんな種類がある?

ワイルドフラワーの花畑には、実に多くの種類の草花が含まれています。例えば、ワイルドフラワー・マットのような予めワイルドフラワーの種や苗がマット状に植え付けられている商品には、平均でも30~50種類を超える野草が含まれているんです。

 

Photo by amy lynn grover on Unsplash

イギリスだと、よく “Bees Mix(蜂のためのブレンド)” や “Shade Tolerant(日陰に強い草花)” などの名前でブレンドされたワイルドフラワーの種のミックスが売っています。名前から分かる通り、大きく分けてこれらのブレンドには「ターゲットとなる野生動物の種類」で草花を選んだものと、「育てる場所の条件」で選んだものがあり、他に全体的な色味などで選べる場合もあったりします。

 

例えば、蜂のためのワイルドフラワーミックスであれば、その地域の在来種のなかから「異なる形の花々を組み合わせること」「花粉や蜜の多い花であること」「開花時期が春先~夏の終わり、可能なら冬までカバーされること」「なるべく数多くの異なる種類の草花を取り入れること」などの条件で組み合わせると良いでしょう。これらは、日陰など育てる場所の条件で草花の種類を決める時にも考慮したい基本の条件とも重なっています。日陰に強いワイルドフラワーのなかには、ナチュラルガーデンでも人気のジギタリスなど、受粉を担う昆虫に優しい花がよく含まれているんですね。日本だと、オダマキなどは日本にも在来種があり、耐寒性・耐陰性もあって春先の早い時期から咲いてくれるので、とても頼りになるのではないでしょうか。シェードガーデンにワイルドフラワーを取り入れる際には、お勧めです。

 

ワイルドフラワーの種はどのように売られている?

イギリスでは、先に述べたワイルドフラワーのマット状になった商品のほかにも、Seed Ball(シードボール)と呼ばれる日本の土団子や粘土団子の原理を基にして作られたものや、Seed Bomb(種爆弾)という名前で種のミックスが入った商品が売られています。

 

Photo by Jonathan Kemper on Unsplash

Seed Ball は粘土団子の原理と同じ仕組みで作られていて、団子状の土の中に複数のワイルドフラワーの種が入っており、これを土の上に投げて水をあげるだけで、種が発芽し、育って行きます。またSeed Bomb も似たようなもので、これは土に還る素材でできた手りゅう弾の形の入れ物の中に種がブレンドされていて、同じく土の上に投げて育てます。どちらも手軽なので、イギリスでは今とても人気になっています。わたしも、今春初めてシードボールを手に入れました。

 

また、イギリスでは在来種のワイルドフラワーの種そのもののブレンドパックがオンラインやガーデンセンターで多く売っています。これを買ってきて、自分で種まきする方法もあり、広い面積を花畑にしたい人には人気になっています。

 

と、ここまでイギリスでのワイルドフラワーの商品について書いてきているのですが、日本に住んでいる場合には日本の庭に合った種類のワイルドフラワーが必要ですよね。ですが、調べた限りでは日本では在来種の野草の種を集めたブレンドなどは、まだ出回っていないようなのです。このブログを始めたきっかけは、イギリスに引っ越してからワイルドライフ・ガーデンなどの概念に触れ、ガーデニングをしながら自然と共生したり環境保護を意識したりする姿勢に衝撃を受けたからなのですが、やはりワイルドフラワーを育てることなどは、まだ日本での知名度は低いのかもしれません。日本でも、家庭菜園や農園などのために、野菜の自然農法を広めて在来種や固定種の種を売っているサイトなどはあるようです。しかし、庭を通して生物多様性や環境保護に少しずつ貢献するという観点からワイルドフラワーの種をブレンドしたものなどは、まだ無いか、有っても一般人が気軽に手に入れられる・探して見つけられる場所には無いのではないかと感じます。日本でも、オーガニックにこだわったり農薬を使わないようにしたりと、ナチュラルな暮らしを目指す人はむしろ沢山いると感じるので、ワイルドフラワーの花畑やワイルドライフ・ガーデンなどももっと広まってほしいなと思っています。

 

ちょっと脱線しましたが、日本でワイルドフラワーの花畑を作りたいときには、先に触れたオダマキのような在来種の草花を調べて、自分で種を選べば良いのではないかと思います。自分で種を買い集められる種類はどうしても限られてしまいますが、それでも、ワイルドフラワーの花畑は作れるはず。ぜひ、挑戦してみてください!

 

ワイルドフラワーの育て方

ワイルドフラワーの花畑は、どんな庭でも作れます。そして、もともと人の手を借りずに生きていける野草であることから、多くの園芸種のように細かな条件を要求せず、比較的強い種類が多いと考えられるでしょう。うまくワイルドフラワーを育てるコツは、その在来種の草花が野生の環境ではどのような場所に育つのかを考えることです。

 

Photo by Slawek K on Unsplash

例を挙げると、イギリスで人気のFoxglove(ジギタリス)は、もともと森林地帯などに生えていました。そこで、庭でも比較的日陰に強く、寒さにも強いのが特徴。また、水はけがよく、乾燥しすぎない土を好みます。逆に、薄紫色がすてきなフィールド・スカビオサは、イギリスでは草原に生えているワイルドフラワーです。元が草原に生えるくらいの種類なので、日向を好み、乾燥にも強い種類なのが分かりますね。

 

自分でワイルドフラワーの花畑や鉢植えを作る際には、上記のような条件をチェックして、同じ環境で育つ種類を組み合わせたり、日当たりなどの条件に合わせて選ぶと上手く行くかと思います。庭の一角をワイルドフラワーにする場合(例えば芝生一色だった部分を花畑にして、生物多様性を爆上げするのもおすすめ!)、その部分の土をまず整えてから、よくブレンドしたワイルドフラワーの種を撒き、その上から少し踏みつける様にして歩くことで種と土との接触を良くすると良いようです。もしそんなスペースがないときには、鉢植えでも花いっぱいで素敵だと思います!

 

植木鉢にワイルドフラワーの種を撒く

年季の入った酒樽。リサイクルの観点からも、素敵です。

今回使った鉢は、ウイスキーの樽を半分にしたもの。これは65センチくらいの直径がありますが、普通にもっと小さな鉢でも大丈夫。ただ、小さい鉢ほど水切れが早いので、小さな鉢をたくさんよりは、大きな鉢ひとつの方が良いと思って、ずぼらな私はこの鉢を選んでいます笑 日本だと色々な鉢がイギリスより安く手に入るはずなので、可愛らしい鉢を選んでみてはどうでしょうか。底穴さえ開けられれば、割とどんな入れ物でも大丈夫なので、アンティークやリサイクル市でみつけた掘り出し物を使うのもおすすめです。

 

今回選んだシードボールはふたつ。バタフライ・ミックス(蝶のためのブレンド)と、クラウド・メドウ(=雲の花畑)です。バタフライ・ミックスは、なんと開花期間が3月から11月まで!蝶だけでなく蜂にも良い花も含まれるので、単生蜂の巣箱を置いているわたしにはぴったり。ワスレナグサやアキレアなど、数種類がミックスされています。クラウド・メドウは白い花ばかりのブレンドで、他の花と色を合わせやすいのが良いですね。シロツメクサやオックスアイ・デイジーなど、こちらも蜂や蝶に蜜や花粉を提供してくれる花ばかり。咲くのが今から楽しみです。

 

樽には底穴が5つ開けてあり、土を入れたら重くなることを考えて、キャスターを4つ付けています。土はコンポスト(予めブレンドされた堆肥)や細かな砂利などを混ぜて、水はけや保水力などを調整。日本では手に入る土の種類が違うかと思うので、選んだワイルドフラワーの条件に合わせてみてください。ワイルドフラワーは強いので、あまり神経質にならなくても大丈夫なはず。

 

今回はシードボールを使ったので、土を入れたらシードボールを土の上に撒いて、あとは水やりして終わり!簡単です。鉢には一緒に、すでにこの時期から咲いているビオラなどを寄せ植えしました。植木鉢にシードボールではなく種を撒く場合には、種の上から手の甲でちょっと押さえて土との接触を良くするとよいようですよ。

 

さて、芽がいつ出るのか楽しみです。イギリスはまだまだ寒いので、焦らず見守っていこうとおもいます!

 

 

イギリスや、世界中でいま注目を集めているワイルドフラワーの花畑。住んでいる地域の在来種や良く育つ種類はどれ?という目線で種を選んで色合わせを考えたり、花の開花時期を長くして、蜂や蝶が来るのを見るのも楽しそうです。一鉢でもよいので、ぜひ挑戦してみてほしいなと思います!

 

実際に種を撒いてみると、土合わせさえできれば、あとは蒔くだけなので比較的簡単だと感じました。鉢がお花でいっぱいになるのを想像して、ワクワクしながら待ってみようと思います。また、花が咲き出したら報告しますね。

 

目指すのは「森のような庭づくり」

英国ガーデン日記

“小さなころから、自然や野生動物が大好き。イギリスへ引っ越して、ふつうの家の庭にハリネズミや野うさぎ、カエルが出る環境に驚く。イギリスのガーデン番組で「小さな庭がパッチワークのように集まれば、野生動物の棲み処を増やせる」と頻繁に言っているのに感心し、ブログを通して英国でのエコなガーデニング事情を発信中。本人は新米ガーデナーで、自分の庭づくりは始まったばかりです。”

 

 

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