ガーデンデザイン&トレンド

オンラインの花屋さんから植物を買うのは、サステナビリティ的に悪いの?【エコなガーデニングを考えてみる】

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イギリスはここ一年、断続的に外出禁止の期間が続いていて、現在はロックダウンも3回目です。食料の買い出しや家で出来ない職業の人は通勤しても良いのですが、不要不急のお店やレストラン等はすべて閉まっていて、食材も宅配に切り替えたりしているので、実際はほとんど外出していません。

 

そんな中、ガーデンセンターはロックダウン中でも「不可欠なサービス」として営業が許可されています。これは、心身の健康を保つために重要なサービスと見なされたからだとか。もちろん、ガーデンセンターは外に植物を並べていて、外スペースへ繋がるお店のドアも開け放ってあるので、コロナ禍での感染対策は充分。それでも、私にはまだ不安な状況に感じられたので、約一年の間ずっとガーデンセンターに行けませんでした(先週末、去年もらったクーポンを使うのに一年ぶりに行ってみましたが、頻繁に行くのはまだ躊躇われます)。そこで、オンラインのガーデンセンターからお花を選び、配達を頼むことが多くなりました。イギリスのガーデンセンターはオンライン注文も同時に受け付けているところも多く、またオンラインに特化したショップも多くあります。コロナ禍では特に、オンライン専門のショップが大混雑するほど注目を集めているのです。

 

そんななか、オンラインの花屋から植物を買ってみるうちに、オンラインで植物を買うのは、自分で花屋へ買いに行くより環境に悪いのではないか?と気になりだしたのも事実。ニュースでよくカーボンフットプリントがどうのと言っているし、トラックで花を運んできてくれるのは便利なものの、自分のガーデニングを通した行動の環境への影響について、実はよく知らないということに気が付いたのです。そこで、ガーデニングの環境への影響について自分なりに調べてみたので、わかったことをシェアしつつ、環境に優しいサステナブルなガーデニング方法について、色々なアイデアをチェックしてみたいと思います。

 

オンラインの花屋さんは環境に悪いの?

Photo by Rodrigo Abreu on Unsplash

「オンラインで花を買うと、配達時にトラックから出る排気ガスが多くて環境に悪いのかな?」これが、私の一番最初に気になったことです。ですが、良く考えると、大型トラックの排気ガスが悪いとか、そう単純な話ではなさそうなんですよね。

 

BBCでも取り上げられていましたが、大型トラックは確かに排気ガスが気になるものの、「ひとりひとりがガーデンセンターまで自家用車で個別に往復して買うよりは、環境への影響は少ないのでは」ということのよう。確かに、一度の往復で個人が買える植物の数は、一回に車に積み込める植物の量や、その日その店舗で目当ての植物が買えるかどうかなどに影響されます。ということは、オンラインでは一定数をまとめ買いする人が多いだろうことを考えると、一人が何回も車で往復して実店舗に買いに行くより、複数人のオーダーをまとめてトラックで効率よいルートで運ぶほうが、環境への影響は少ないということのようなのです。少なくとも、オンラインで植物を買うことを、自分の車でガーデンセンターまで買いに行くことと比べたとき、前者のほうを過剰に気にする必要はなさそうだと言えますね。

 

ただ、これは上記のリンク先記事でも議論されていましたが、そのオンラインの花屋さんがどのように植物を仕入れているのかや、その花屋から配達してもらう人の家までの距離などにもよって、話が変わってきます。前者では、植物がそのショップと違う国や離れた地域で栽培されていると、輸送で排出される温室効果ガスなどが多くなるのは想像できると思います。また、オンラインで実際に注文があった数と、販売先が栽培元から前もって輸送しておいた数にミスマッチがあったりすると、もし返送が発生した際には更に排気ガスなどが発生することにもなってしまうので、その点で「そのショップが扱っている苗の栽培元・仕入れ元はどこか」というのは注意したいところかもしれませんね。やはり、なるべくローカルな栽培元から仕入れをしているショップのほうが良いと言うことでしょう。次に、前述のショップの配達元から届け先の家までの距離も、同様の理由で気になると思います。つまり、同じ国内でも離れた地域なら輸送距離に応じて温室効果ガスも多くなるので、なるべく配達元をチェックして家から近場になるよう選ぶのが良いと思います。

 

ここまでをまとめると、

  • オンラインで花の苗などを注文することは、自家用車で花屋へ買いに行くことと比べて、環境への影響が多いわけではない。
  • むしろ、良く選んでまとめ買いすることで、カーボンフットプリント(炭素の排出量)を減らせる可能性も
  • ただし、オンラインショップの苗の仕入れ先が国内や同じ地域など近場であること
  • オンラインショップの配達元から届け先の自宅までが、なるべく近距離であること

などがポイントになりそうですね。

 

もっとエコな方法で花を手に入れるには

Photo by Annie Spratt on Unsplash

オンラインでの苗の購入・配達が、思ったほど環境に悪いわけではなさそうだと言うことはわかりました。ですが、もっと根本的に、サステナブルな方法でガーデニングに必要な植物を揃えたくなってきたら、どうすれば良いのでしょうか。ひとつは、ローカルな繋がりをつくることがポイントのようです。たとえば、近年はご近所づきあいも希薄になっているので難しいところではありますが、隣近所の人や趣味仲間、友達、子どもを通して繋がりのある人たち、家族・知り合いなどなどで増えすぎた植物を交換すると言う方法が、イギリスでは見直されているようです。わたしも、義母が育てたセージ(ハーブ)の苗を分けて頂いたりしたことがあります。まずは、普段から交流のある家族や友達となら、ハードルが低いのではないでしょうか。日本にはおすそ分け文化がある(少なくとも、ちょっと前まではあったはず!)ので、それを植物でやる感じだと考えると、なんだか分かる気がします。

 

イギリスでは、以前の記事でも触れたガーデン番組の Gardeners World でロックダウン中のガーデニングについて一般人のビデオを募集した際、庭で育てた植物や家庭菜園で増やした苗を玄関先に置き、「ご自由にどうぞ」とか「苗をひとつ受け取ったら、自分の苗をひとつ追加して行ってください」と書いた紙を置いておく、というのがありました。なんだか、ほっこりするやり方だと思います(自分から始めるとなると、勇気が必要そうですが)。このようなやり方は直接顔を合わせる必要がないので、その点はコロナ禍に限らずやりやすい気がしますね。でもやはり、自宅近辺でやるとなると、抵抗がある人も多いのが課題でしょうか。植物をみんなで交換する試みとしては、シェフィールドで始まった PlantSwapという活動も、最近注目を集めていて気になっています。これは、地域の人たちが自分で増やした植物の苗や挿し木、種などを公園などの会場に持ち寄って、交換する会のようなものです。公式ページの写真を見ると、雰囲気としては、地域のバザーの植物持ち寄りバージョンのような和気あいあいとした感じ。苗を入れて持ってくる容器には、みんなヨーグルトのカップなどをリサイクルして使っているのも素敵です。コロナ禍で一時開催を見合わせているようですが、よい活動だと思います。私の地域でも、このような活動があればロックダウンが終わったら参加してみたいと思いました。単純に、こういう感じは楽しそうですよね!

 

植物をみんなで交換し合う方法は、室内で育てる観葉植物でも使えます。特に、観葉植物は熱帯地方から遠路はるばる輸送されて仕入れられていたり、国内でも温室を使って育てていたりするので、カーボンフットプリントがどうしても気になるところ。だから、既に持っているものを挿し木したりして増やして近場の人たちで分けるというやり方は、メリットが大きいと言えますね。

 

サステナブルなガーデニングは、手間暇をかけたり工夫することから始まる

Photo by Markus Spiske on Unsplash

植物をシェアすることでカーボンフットプリントを減らすにしても、まずは手持ちの植物から子株を増やす必要がありますよね。もしくは、苗の形まで育った状態で買い求める植物の数を少なくして、代わりに少数の苗から自分で数を増やすこともできるでしょう。いずれにしても、自分で挿し木をしたり、株分けをしたり、種を集めて蒔いたりして、すこし手間暇をかけることになります。莫大な労力や時間は必要ないけれど、ちょっとだけ手間をかけるという考え方がポイントになりそうです。わたしも、今年は挿し木に挑戦しようと思っています。

 

それから、プラスチックの苗用ポットを買わずにヨーグルトのカップを再利用して苗を育てる方法に触れましたが、リサイクルできるものに普段からアンテナを張って再利用するのも、小さなステップですが、良いと思います。結局は、個人でできることは、こういう小さなところから始まると思うので。ガーデニングとは関係ないですが、我が家では2年前からサランラップをやめて電子レンジ用の再利用できるカバーに変えました。それだけでも、だいぶラップ(=プラスチック)の量が減ったように感じられています。もちろん、地球温暖化などに本当に対応しようとするなら国や企業などを巻き込む大きな変化じゃないと意味がないという意見があるのは分かっていますが、それでも個人で出来る小さな変化もやらないよりはマシだと思うし、塵も積もれば...と思うのです。

 

それと、もし苗を育てるために新しいポットを買う必要がある場合には、土に還る素材でできたものを選ぶこともできますね。ガーデンセンターからくる黒いビニールのポットは特にリサイクルしにくく環境の負担になっていると知ったので、これを減らせるところから減らす工夫をひとりひとりがやるというのも、総合的かつ長い目で見たら効果があるのでは、と思っています。わたしは既にガーデンセンターの苗が入っていたビニールポットがあるので、これを種まき用に再度使えるのではと考えているところです。

 

ナチュラルガーデン志向で害虫をコントロール

Photo by Emanuel Rodríguez on Unsplash

庭の害虫はかなり厄介な存在ですが、持続可能なやり方でガーデニングをするなら、殺虫剤などは避けたいですよね。害虫も益虫も虫だと言うことを考えると、どちらも結局は生物多様性のピラミッドの中に納まる(しかも、一番底辺で生態系を支えている重要な部分!)ので、「生物には生物を」みたいな姿勢で関わっていくのが良い気がします。これは、害虫だけに注目して殺虫剤が必要と考えるのをやめて、その害虫を食べてくれる益虫が庭に足りていないという点に注目するということ。例えば、Bug Hotel(昆虫が越冬できる木の家)などを置いてテントウムシが越冬できる環境を整えれば、アブラムシの発生に備えることができます。この様な環境があれば、他にもハサミムシなどもやってきて、害虫と見なされる昆虫の数をコントロールしてくれるでしょう。

 

それから、野鳥が多く来てくれる庭を目指せば、虫の数は自ずと調整されると思います。私の庭には常緑の垣根や目の詰まった枝ぶりの低木が数本ありますが、その木にクロウタドリ(イギリスにいる、黒い野鳥)が巣を作って雛にせっせと昆虫を与えたり、雀の家族が住んでいるので、虫は大発生しません。もちろん、その年によってはバランスが一時的に崩れることもあるでしょうが、今後もこの調子でサステナブルな害虫対策に徹したいと思っています。庭に野鳥を増やしたい人は、ぜひ常緑の垣根や低木を植えてみるところから始めてはいかがでしょうか。

 

種を集めたり、気候に合わせた植物を選ぶのも大事

サステナブルでエコなガーデニングというと、なんだか難しく聞こえてしまうのですが、もっと身近に、庭の植物をよく観察して楽しむという基本的なことを続けることでも、持続可能なガーデニングに繋がっていくんですよね。庭に新しい植物を買ってきて植えるだけではなく、既に植えてある植物から種を集めて増やすことで、新しい植物を買いなおすことが減ると思います。また、その庭特有の気候に合わせた植物を選べば、その植物はよりその土地に適応して強く健康に育つので、病気になって薬が必要になったり、枯れてしまって買い替えることになったりすることが減るはず。つまり、この庭に合っている植物はどれかな、と観察して、ひとつひとつの植物を大切に育てることが大事だと思うのです。

 

同じ考え方をすると、その土地の在来種であるワイルドフラワーを選ぶことも、強く健康に育つ植物を植えるという観点から見てサステナブルなガーデニングに繋がるのではと思います。ワイルドフラワーは昆虫や野生動物にとっても良いので、ぜひ積極的に取り入れていきたいところですね。

 

ガーデニングで使う水のサステナビリティは大丈夫?

Photo by Darya Kraplak on Unsplash

ガーデニングをサステナビリティという面から見ると、庭で使う水の量についても気になっています。日本ではお風呂の水の再利用などがありますが、このような水をグレーウォーターといい、これをガーデニングで有効活用するアイデアなどがイギリスでは出てきているみたいです。実質的に個人でやる場合にどのくらい使えるのか難しい所ですが、興味深い方法だなと思って注目しています。今後、実際に使えそうなアイデアが出てきたらまた記事にしたいと思います。

 

他には、雨といに繋いでそこから流れてくる雨水を貯めておく容器がガーデンセンターでよく売っていて、これを使っている人が増えてきており、私も近々手に入れる予定です。これはかなりの雨水を溜められるので、蛇口から使う水を大幅に節水できるのではと期待しています。それから、すでに雨が降ったらその量が分かるガジェットを手に入れたのですが、これで、雨がどの程度降ったか分からず不安に駆られて不必要に水やりをすることも無くなるはず。私が買ったのは簡単なデジタル表示があるもので、外に水を受ける容器を設置すると降水量が室内のパネルに表示されるものですが、アナログに降水量のメモリが容器に書いてあるだけのものもありますよ。

 

それと、マルチングをするのも大事です。マルチングとは、ウッドチップや堆肥などで庭の植物の根元を覆うことですが、これをするメリットは栄養面の補給だけではありません。マルチングすることで水分の蒸発が抑えられるので、実は水の節水に繋がり、とってもエコなのです。マルチングは一度行うと暫くは減ることなどもないので、やっておいて損はないと思います。

 

メンテナンスが簡単な庭を目指す

ロ―メンテナンスな庭を目指すのも、サステナブルなガーデニングに繋がります。花粉症の人のガーデニングで芝生をやめるというアイデアに触れましたが、ロ―メンテナンスと言う意味では花粉症に限らず芝生をやめるのはメリットがあるので、庭=芝生という考え方をやめていくのもいいのではと思っています。芝生があると何が問題かと言うと、とにかくメンテナンスに手間がかかるということ。芝刈り機は二酸化炭素を出したり電気やガスを使ったりしますし、きれいな芝生に保つには肥料を定期的にやらなければならなかったりしますよね。それと、芝生の部分は単一種の植物しかないので、生物多様性的な点から言ってもメリットが少ないため、できれば芝生を新しく敷くくらいなら低木や多様な植物を植える方がいいと思うのです。

 

あとは、夜のライトアップとか噴水とかスプリンクラーなんかを使っているひとは、電源や配線が必要なものではなくて、太陽光を使ったソーラーパネル式のものにするとややこしい配線も不要なうえ節電・省エネに繋がりそうですね。今はアマゾンなどでかなり色々な種類のが比較的安価に出ているので、割と簡単に切り替えられるのではと思います。

 

 

はじめは「オンラインのガーデンセンターから植物を買うのはエコなのか?」という疑問から始まった、今回の記事。そこから、サステナブルなガーデニングをするにはどんなことが出来るのか、個人でも取り組みやすそうなことを色々と調べて書いてみました。おそらく、一気にすべてをサステナビリティに配慮したガーデニングに切り替えるのは現実的でもないと思うので、出来ることから小さな部分を変えていくようなアプローチが良いのではと思っています。

 

目指すのは「森のような庭づくり」

英国ガーデン日記

“小さなころから、自然や野生動物が大好き。イギリスへ引っ越して、ふつうの家の庭にハリネズミや野うさぎ、カエルが出る環境に驚く。イギリスのガーデン番組で「小さな庭がパッチワークのように集まれば、野生動物の棲み処を増やせる」と頻繁に言っているのに感心し、ブログを通して英国でのエコなガーデニング事情を発信中。本人は新米ガーデナーで、自分の庭づくりは始まったばかりです。”

 

 

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